この世からお金がなくなる方法1
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13.7.17
今回は大胆かつ荒唐無稽な話のように思われるかもしれませんが、この世からお金がなくなる方法について書いてみようと思います。まず、この件については二つに分けて考えていきたいと思います。
一つは単純に物理的なお金である紙幣や硬貨などが不要になるキャッシュレス化についてと、もう一つはお金そのものの概念が実質的になくなる、もしくは意味がなくなったとしても経済が上手く回る方法についてです。
ただ個人的には日本でもタブーとされていることはあって、その一つは政府の紙幣発行論ではないかと以前にツイッターなどで少し触れたことがあるので、多くの人が閲覧しているブログではありませんが、これは政府の紙幣発行論の類いでは全くないことは念のためにお伝えしておこうと思います。
後述しますが政府の仕組み自体はそれほど変わりませんし、完全なキャッシュレス化になったとしても紙幣を作っている造幣局の仕事が全くなくなる訳ではありませんので、むしろ社会的な構造としては保守的な話だという前提でお読み頂ければと思います。
その上で、まずは物理的なお金がなくなる方法について書いていきます。
先日テレビを見ていたらスウェーデンでは身体の中にICチップを埋め込んで、乗り物の改札や会社の入り口などを、情報端末ではなく腕をかざすことで支払いや通り抜けすることができる技術が既に実用化されているというようなことを言っていました。
あとスウェーデンでは全ての国民の住所や課税所得が公開されているということなので、そういった背景から人体にICチップを埋め込んでより金銭の使用ルートを明らかにして把握したい政府関係者の思惑とも合致する部分がありそうなので、導入が早かった側面もあるのかもしれません。
要するにそのテレビ番組では、人体に異物であるチップを埋め込んでまで便利な暮らしがしたいですか?というような話をしていました。
しかし私はそれを見ていて、なんか根本的なところに違和感を感じました。
おそらく既に技術的にはもっと前から身体にチップを入れて、支払いやデータを認証することは可能だったでしょうし、導入しやすい国がそれを始めたというだけの話です。
そのニュースを見て感じた違和感というのは、そこまでのことが技術的に可能になっても、人類がまだお金に縛られているということの皮肉です。
身体にチップを埋め込むことと、この世からお金がなくなる社会の実現では、技術的な比較ではお金をなくすことの方が簡単なはずです。
言い換えれば人類の知の進化が、貧困や格差をなくす社会性や心の進化よりも早いペースで発達しているということです。
そのことを踏まえた上で完全なキャッシュレス化について考えていきたいと思います。
とりあえず人体にチップを埋め込まなくてもいいので、スマートフォンなどの日常的に持ち歩いている情報端末でも既に支払いやデータ認証などは行われています。
今はどちらかというと実際のお金をいったん電子マネーに変換したもので支払われているので、実質的にはキャッシュレスでも、電子マネーを提供している企業やクレジットカードの会社などがサービスの一環として行っているという側面があると思います。
これは間違って使ってしまったり、他人に使われてしまった場合なども考えられるため、間に電子マネーの業者を挟むことは色んな意味で合理的な面があるからかもしれません。
そもそも銀行口座から直接的に支払われればもっと便利でしょうし、そういうサービスもあるかもしれませんが、いちいち別の電子マネーに切り替えるのは多少の手間(自動的に切り替えてくれるサービスもあると思いますが、その場合でもシステムが介在しているという意味では手間)があったとしても利用者にとってもメリットがあります。
そのため、完全なキャッシュレス化を実現するためには一元的にそれを管理する方法とサービスごとに分けて行う方法があります。
一元的に行う場合は世の中の全てのサービスを一つのアプリで操作したり管理できる仕組みが必要となるため、現実的には政府か銀行が集って総合的なシステムを構築しなくてはいけないかもしれません。
サービスごとに分ける場合でも、各種の業界が独自の電子マネーか既存の電子マネーを採用することで、漏れがないくらいにきっちり全ての決済について対応されなければいけなくなります。
その場合でもだんだん複数ある電子マネーが時間が経つに従って淘汰されたり統合されたりしながら実質的に主要な電子マネーの数が絞られていき、そのいくつかの電子マネーを一括して管理できるソフトが作られていけば、いずれにしてもキャッシュレス化は一元的に管理できるようになっていきます。
しかしそれがキャッシュレス化の終わりではなくて、始まりになります。
全く物理的なお金が必要ではなくなれば、だんだん自分のお金がどれくらいあるかがどうでもよくなっていくはずです。
それは心理的な側面だけでなく、完全なキャッシュレス化が実現されれば、企業のサービスもそこへ向けて更に多様化していくことになるからです。
例えば、銀行の残高が不足していれば、自動的にお金(この場合は物理的ではなく口座上のもの)が貸し出されて補給されるサービスなどが導入されれば、事前に契約はするでしょうが、いつの間にか借金を背負っていることになりますが、無理をせずに継続的に十分な収入がある分にはその後は勝手に収入が借金の返済にあてられるようにもなります。
この傾向がどんどん更に自動的になっていけば、家などの高額な買い物には勝手に住宅ローンが組み込まれていたり、借金が残ったまま亡くなるようなことがあってもいつの間にか死亡後は借金の分が充当されて支払われている保険に加入していて、全ての人の債務が必ずどこかの段階で消滅する仕組みにすることも可能になります。
ということは身体にICチップを埋め込む技術よりも前に、既にやろうと思えば完全なキャッシュレス化や普通に継続的な収入を得られている場合には自分の残高を見なくても、不足の事態や過度な贅沢をしすぎない分にはそれで一生暮らしていける仕組みの実現は可能だということです。
ただし全てを情報端末やネット上のみで運用した場合には、長期的な停電や災害時には全く機能しなくなるリスクがもちろんあります。
そこで冒頭の方で造幣局は仕事がなくならないと書きましたが、プリペイド式の貨幣を生産して日頃からコンビニなどで販売するようにすればいいのです。
缶詰を備蓄しているようにプリペイド式の貨幣を備えとして持っていれば、災害時には紙幣のような使い方もできますし、緊急事態が収まったらバーコードで読み取るなどして、加算も容易にできるようにします。
またどうしても現物のお金を持っておきたいという人にとってもキャッシュレス後の実質的なお金として機能すると思います。
これは電子マネーと物理的なお金の立場が逆転していることを意味しています。
今でも口座に入っているお金は物理的なお金ではありませんが、それでもお金を電子マネーに変換しているという順番です。
完全にキャッシュレス化した時代では電子マネーでプリペイド式の貨幣を購入して、物理的に決済する場合の手段とすることになるのです。
今回は長くなりそうなので、記事を2つ分けてお届けすることにします。
次回は更にベーシックインカムの制度の導入などに触れて、お金の概念そのものが実質的に不要になる方法について書いていく予定です。
最後までお読み頂きありがとうございます。
続きの記事を公開しましたので是非お読み下さい。
『この世からお金がなくなる方法2』
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